このページの要点

  1. 1ビザと労働許可は別制度です。滞在が適法でも、労働許可がなければ就労は適法になりません。
  2. 2外国人雇用にはクォータ(外国人雇用枠)の事前申請が必要です。年次の期限があり、採用計画より前に押さえます。
  3. 3手続きは労働職業訓練省(MLVT)のオンラインシステム(FWCMS)経由が基本です。
  4. 4税務・労務・入管は連動しています。どれか一つを放置すると、駐在員の滞在資格まで止まります。

3つの制度を混同しない

進出時の混乱の大半は、次の3つが別々の制度であることを理解していないことに起因します。

  • ビザ・滞在資格

    国内に滞在することを許す

    所管内務省 入国管理局

  • 労働許可

    Work Permit / Employment Card

    国内で就労することを許す

    所管労働職業訓練省(MLVT)

  • 外国人雇用クォータ

    雇用主が外国人を何人雇えるかことを許す

    所管労働職業訓練省(MLVT)

必要な順序

  1. 1クォータ雇用主が外国人の雇用枠を確保
  2. 2労働許可FWCMS で申請
  3. 3ビザ延長労働許可を前提に延長
クォータを取っていない法人は、そもそも労働許可を申請できません。

クォータ(外国人雇用枠)

雇用主となる法人が、翌年に雇用する外国人の人数枠を事前に申請する仕組みです。

  • 申請には年次の期限があります。期限を過ぎると当年の枠が取れず、採用計画がずれます。
  • 枠はクメール人従業員数との比率で制約されるのが原則です。
  • 業種・投資形態によって扱いが異なる場合があります。

労働許可の申請

一般的に必要となる書類です。手続きは MLVT のオンラインシステム(FWCMS)を通じて行うのが基本です。

  • パスポートと有効な滞在資格
  • 雇用契約書
  • 健康診断書(指定機関での受診を求められる場合あり)
  • 顔写真
  • 雇用主の登記事項・納税者番号・パテント税の納付証明
  • クォータの承認

雇用主側の納税状況が申請時に確認される点が重要です。税務申告やパテント税を滞納していると、労働許可が止まります。

相互に紐付いていることの意味

近年の運用強化により、一つの未処理が次のように連鎖します。

  1. 発端パテント税を納めていない
  2. →1労働許可の申請が通らない
  3. →2ビザ延長で労働許可を求められ通らない
  4. →3駐在員が滞在できなくなる
税務・労務・入管のいずれか一つを放置すると、駐在員の滞在資格まで到達します。

「会計は後で」「労働許可は落ち着いてから」という進め方が最も危険な領域です。これは、設立後の継続運用を誰が持つかが決定的に重要である理由でもあります(→ 法人設立)。

クメール人従業員の労務

外国人の許可とは別に、現地従業員についても以下が必要です。

  • 雇用契約(固定期間契約 / 無期契約の区分に注意)
  • NSSF(社会保障基金)への事業所登録と従業員登録、月次納付
  • 労働省への従業員名簿・就業規則の届出
  • 最低賃金の遵守(縫製・製靴業には別途の法定最低賃金があります)

採用市場の実態と給与水準は採用のガイドにまとめています。

手続き前に最新情報で確認すべき論点

制度や運用が変わりやすく、個別の状況によっても扱いが異なる論点です。ご相談時には最新の状況を確認してご案内します。

  • 外国人雇用クォータの申請期限と、期限を逸した場合の救済手続きの現行運用
  • クメール人従業員数に対する外国人比率の上限と、免除・例外の適用範囲
  • 労働許可とビザ延長の連動の実際の運用(片方のみ不備の場合の扱い)
  • 未取得で就労していた場合の遡及的な罰則の水準

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